2回目のドライブ

今日は2回目のドライブ。

しかし二人きりのドライブではなかった。

私の子供たちも一緒だった。

彼は子供好きで、

私から子供の話を聞いていたので

「子供たちに会いたいな」

と言い出した。

普通は不倫相手に子供たちを会わせるなんて

ありえないですよね。

家族に知られるのでさえ嫌なのに。

子供たちだって嫌がるだろうし、

「お母さん今日知らない男の人と会ってた」

なんてお父さんに告げ口しそうなもんですよね。

私も会わせるなんてどうかしているが

うちの子供たちもちょっと変わっている。

二人とも父親のことが嫌いなので

私が彼と会っていることを

告げ口することは絶対にしない。

もちろん彼のことが好きなことも知っている。

彼を迎えに待ち合わせ場所へ向かった。

彼が車に乗り込み、

「こんにちは」と言った。

子供たちは初めて会うので人見知りをして

ろくに挨拶もできないのではと思っていたが、

「こんにちはー」と元気よく挨拶をした。

子供たちはすぐ彼に懐き、

彼のことを「ひろくん」と呼び

車の中で子供たちは彼と話すことに

夢中になっていた。

公園に行き、遊んでいる姿は

周りから見れば、まるで親子のよう。

もう下の子は彼にべったり。

ご飯を食べに行っても彼の隣に座りたがり、

彼も下の子の面倒をよく見てくれた。

その光景を見て私は

「彼が父親だったらよかったのに・・・」

と思ってしまった。

そろそろ帰る時間。

子供たちは「帰りたくなーい」と言うが

こればかりは仕方がない。

彼を駅まで送り、

子供たちは「またねー、バイバーイ」

と言って手を振った。

彼もニッコリ笑って手を振っていた。

帰りの車の中で

「楽しかったねぇ」と話していると

娘がボソッと呟いた。

『ひろくんがお父さんだったらいいのにな...』

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